四季の美しい山間の里に溶け込むような姿を持つ、民宿蕎麦屋さんを作ること。それはあたかも昔からそこにあったかのような建物に作りあげることでした。
外観は信州と新潟の県境にある古民家の意匠をヒントに、豪雪地帯の建物ではよく見かける出桁つくりの大屋根の家をイメージしてみました。積雪をささえるために2重の桁をせりだし、大きな羽根をひろげたような優美な姿を演出しています。また、玄関としての出入り口は奥飛騨地方でよくみかける「どーじ」という風除室を設け、雪で濡れたからだを払いながら室内に入るという道行の楽しさを感じてもらえればと思います。
中に入れば、薪ストーブをかまえる大きな吹き抜けを2階からの客室がとりかこみ、建物全体に一体感をもたせています。
材木はすべて国産材(栗駒燻煙杉)を使い、8メートルを超える長い材木を一本一本手加工(湯本工務店富沢棟梁)で仕上げ組み合わせていきました。
また、オーナーの食へのこだわりから、建物もオーガニックな素材に配慮し、自然塗料、羊毛断熱、また合板等の新建材も極力廃した安心安全な建物となるよう心がけました。
太い柱や梁に囲まれながら、ゆったりと心安らげる空間で、心行くまでおそばを味わっていただけるよう設計に配慮しました。
◆設計事例
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安藤建築設計工房
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